ミセスワタナベ、キモノトレーダーってなに?

今でこそFXは日本人投資家の間でもとてもメジャーな存在ですが、かつては一部の人にしか知られていない存在でした。その転機となったのは外為法の改正で、それまで銀行などプロのディーラーだけのものだった外国為替取引が一般の人にも門戸が開かれました。

そこで一気に個人投資家が参入をして、その初期段階の時期は日本人投資家が一気に流れ込んできた影響が外為市場にも大きく表れて、一時期は日本人投資家が世界の為替市場を動かしていたとまで言われていたのです。

そこで生まれた言葉が、「ミセスワタナベ」「キモノトレーダー」です。キモノトレーダーというのは日本人投資家を意味していることが想像できる言葉ですが、ミセスワタナベというのは誰かが言い出した造語のようです。

ミセスワタナベに代表される日本人投資家の投資行動は極めてシンプルだと見なされていました。

その投資行動とはどんなものでしょうか?

ミセスワタナベ(キモノトレーダーとも呼ばれていた)の典型的な投資行動は、外貨買いです。日本の超低金利が続いている状況で高金利通貨の買いポジションを保有していると毎日スワップが入るので、それを狙ったトレードが集中しました。

その影響で豪ドル円やNZドル円が急騰、ついには当時のニュージーランドの金融当局者が日本人投資家に対して「買いすぎ」という警告を発したほどです。外国の金融当局者が日本人投資家に対して公式のコメントを発するほど、ミセスワタナベは強い影響力を有していたのです。

FX界の噂話として今では伝説となっているような話ですが、ミセスワタナベは確かに「存在」していたのです。

しかし、そんなミセスワタナベがどうなったのか?その顛末は次回に。