相場の変動要因2 貿易収支を知る

貿易収支も、トルコの経済動向を図る上で大事な指標になります。

トルコの国内産業は、1位は観光地としてのサービス業が約60%を占めており、第2位が工業で約25%を占めています。国内産業2位の工業において輸出品目のトップが自動車です。その背景として、ヨーロッパは自動車産業の衰退により、生産拠点を人件費の安い新興国を候補にしたことが挙げられます。

トルコはヨーロッパからほど近い国で、船便を使えば製品を地中海や欧州へ輸出できます。このため、資源が乏しいトルコは、外資系企業の工場や生産設備を誘致し、自動車産業に力を入れることで生産振興を図る政策をとっています。

この政策により、フォードや、フォルクスワーゲン、トヨタといった世界中の大手自動車メーカーがトルコに進出し、産業の重要な部分を担っています。製品の産出拠点としてだけでなく、トルコそのものが販売市場になりうる期待感もあると考えられます。これだけ聞くと、トルコの貿易は景気よく思えますが、実際はそう上手くはいきません。

自動車生産数が増えることは、トルコとしてはいい事のようにみえますが、実際はそうも言っていられません。自動車を生産するには部品を輸入しないといけないからです。

エンジンやトランスミッションなど、高水準の技術を必要とする単価の高い部品は輸入に頼っています。

トルコでの主な生産手段は組立工程のため、輸入する部品の単価が上がれば赤字になってしまいます。最近ではトルコリラの相場が下がっていることにより部品の輸入はかなり不利な状況になっています。その結果、自動車を作れば作るほど赤字が膨れ上がってしまう構造になっているのです。

では工業はダメになるのかというとそうではなく、現在トルコでは、この赤字が膨れ上がる構造を打開するために、高付加価値の部品を現地開発する政策を進めているようです。自動車メーカーも最近は現地開発を推し進めているので、ニーズがうまくマッチすれば、貿易収支が上向く可能性があります。

貿易収支が良くなれば経済収支も良くなるので、引き続き動向を探る必要のある指標といえます。