多くの日本人投資家がトルコリラでやられた理由その2

豪ドルとNZドルの長期保有によるスワップトレードがその後どうなったのかというと、何度かあった急激な円高でほとんどのポジションがロスカットとなりました。

古くはサブプライムショック、最近だとBREXIT、トランプ大統領の当選あたりでしょうか。いずれも過激な円高が進行し、スワップ狙いで保有していた外貨の買いポジションは軒並み吹き飛んでしまいました。

それまでため込んでいたスワップがあるから大丈夫なのでは?と思われるかも知れませんが、レバレッジ5倍程度の安全なポジションですら持ちこたえられなかった暴落だったので、スワップもろとも吹き飛んでしまったのが実際です。

今般のトルコリラ暴落は、その時よりもさらにタチの悪い事態です。なぜならオーストラリアとニュージーランドは先進国であり、すでに成熟した経済があります。空前の高金利と通貨高になったのは、好景気によるものでした。その後も景気の足腰が折れてしまったわけではなく、暴落した通貨水準は元に戻っています。

しかし、トルコは事情が違います。

オーストラリアとニュージーランド、この両国とトルコとの違いは、たくさんあります。まずすでに経済が成熟している先進国ではないこと、そのため経済が脆弱で、資金集めのために高金利にせざるを得ない点です。オセアニア両国は好景気によって金融引き締めが行われ、その結果として高金利になっていただけなのに対して、トルコはそうせざるを得ない結果が高金利政策です。

また、トルコにはたくさんの地政学的リスクがあります。周辺国が不安定であることに加えて、アメリカとの関係悪化は貿易に大きな影を落とすでしょう。これによってトルコ経済が停滞していくのは必至で、経済大国のように自力でそれをカバーするだけの資金力や外交関係がありません。

つまり、この状況が続く限りトルコリラ安要因はなくならないということです。事実、トルコリラは何度も上昇する局面があったものの、そのたびに戻り売りを浴びせられており、最安値を更新している有様です。
では、すでにトルコリラ円の買いポジションで大損をしてしまっているFX投資家はどうすれば良いのでしょうか。