トルコリラ暴落 相場の変動要因4 大統領発言の影響が大きすぎる

トルコのエルドアン大統領は、選挙で再選されたことで権力強化を進めています。この権力は中央銀行にまで及んでおり、金利を下げるように圧力をかけています。

エルドアン大統領は「投資を呼び込むためには利下げが必要」「インフレを防ぐには利下げが有効」という考えがあるようです。

そのため、度々中央銀行に利下げ圧力をかけ、結果的にトルコリラ安を招く要因となりました。6月に政策金利を17.75%まで引き上げたことでトルコリラ高になったものの、その後またしてもエルドアン大統領の利下げ発言により下落し、さらに注目されていた政策金利発表では利上げ据え置きによる失望売りが発生し、トルコリラ急落に繋がることとなりました。

さらにブランソン牧師の解放を巡ってアメリカとの関係が悪化し、経済制裁を受けることになったことで相場の下落が続き、ついには15円台前半になるなど、暴落といえるレベルのリラ安になりました。これまでの経緯でわかることは、エルドアン大統領の一言で簡単に相場が動くということです。どの国でも要人の発言は影響力があると思いますが、独裁体制にあるエルドアン大統領の発言は、特に注意を払う必要があります。