ストップ狩りは本当にあるの?その3

ストップ狩りについての噂から派生して、FX取引会社はほとんどの相対取引で当事者となっているという噂もあります。つまり、投資家が出した注文を約定させているのはほとんどがFX取引会社の反対注文ということです。これだと投資家が儲けを出すとFX取引会社はその分損をします。

FX取引会社は利益を出すために事業をしているのに、こうして投資家に負けてしまうと利益どころではなくなってしまいます。そこで、噂話が派生して「勝ちすぎている投資家は口座を凍結されて売買できなくなる」という話も飛び交っています。

多くのFX取引会社はスキャルピングを表立って推奨していません。理由は売買システムに負荷が掛かるからですが、どの程度の売買がスキャルピングなのかと言う定義はあまりありません。そこで勝ちまくっている投資家がスキャルピングまたはそれに近いトレードをしていることを理由で口座を凍結するというストーリーです。その口座が凍結された本当に理由は「投資家が儲けすぎている=FX取引会社が損をしすぎている」ということだったら・・・

ストップ狩りの噂から派生してFX取引会社の利益構造にも目を向けてみましょう。

これを読んでいる皆さんは、FX取引会社がどうやって利益を上げているかご存知でしょうか。BidとAskにある価格差、つまりスプレッドがFX取引会社の取り分だと思われている方も多いと思いますが、今はスプレッドを小さくする競争が激しく、インターバンク市場でかかるコストをカバーできていません。このように自社内で売りと買いの注文をマッチングすることをマリーといいますが、マリーでは利益があまり出せないことになります。特にドル円は各社スプレッドがとても狭いので、膨大な注文量をマリーしたとしても恐らく採算ベースには乗らないでしょう。

他の通貨ペア、特にそのFX取引会社にしかないような通貨ペアだとスプレッドを大きくしても顧客を逃すことがないので、その通貨ペアではマリーで利益を出すこともできるでしょう。

ただし投資家からの注文は両者が全く同じになるわけではありません。売りと買いのどちらかが足りなくなることもあるので、その場合や自社売買(呑み行為といいます)をしているかも知れないと噂が流れても不思議ではありません。

いずれにしても、ストップ狩りにまつわる噂話は投資家の利害に直接関わることなので、常に黒い噂が絶えません。